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山本精一&フィリップ・サマーティスをお気に入りに追加 山本精一&フィリップ・サマーティスのリンク #bf Amazon.co.jp ウィジェット 山本精一&フィリップ・サマーティスの報道 gnewプラグインエラー「山本精一&フィリップ・サマーティス」は見つからないか、接続エラーです。 山本精一&フィリップ・サマーティスとは 山本精一&フィリップ・サマーティスの71%はかわいさで出来ています。山本精一&フィリップ・サマーティスの20%は厳しさで出来ています。山本精一&フィリップ・サマーティスの5%は電力で出来ています。山本精一&フィリップ・サマーティスの1%は野望で出来ています。山本精一&フィリップ・サマーティスの1%は保存料で出来ています。山本精一&フィリップ・サマーティスの1%は税金で出来ています。山本精一&フィリップ・サマーティスの1%は知恵で出来ています。 山本精一&フィリップ・サマーティス@ウィキペディア 山本精一&フィリップ・サマーティス Amazon.co.jp ウィジェット 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ 山本精一&フィリップ・サマーティス このページについて このページは山本精一&フィリップ・サマーティスのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される山本精一&フィリップ・サマーティスに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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カリールは翔太郎と共に当麻のアパートに戻り、フィリップとインデックスを含む三人に全てを語った。 今から四年前、イタリアのミラノのアラブ人街で過激な十字教信徒による移民に対する暴動があったのだ。 移民側の犠牲者は数百名とも言われる程のものであったと言われている。そしてその暴動を扇動した男の手により ナワルは妻と息子を殺されたのだ。排斥事件にしては余りにも凄惨であったため、大々的にニュースで報じられていた。 カリールもそのアラブ人街に住んでいたのだが、たまたまその時は故郷のサウジアラビアに里帰りしていたので 難を逃れた。しかしカリールも義理の姉と甥を失ったのだ。 「奴らは俺達を異教徒だからといてゴミのように殺した……! 俺は奴らを決して許さない!!」 過去を語り終えたカリールの体中からは突き刺さるほどの殺意と憎しみを放っていた。それは翔太郎とフィリップが冷や汗を 流す程のものでった。 「あのナワルにそんな過去が……」 「俺も覚えてるぜ。四年前のその事件なら日本の新聞でも大きく取り上げていたからな。まさかナワルがあの事件の犠牲者だったなんて…… あの記事を読んでいただけで胸糞が悪くなったのを覚えてる。女子供でさえ殺し、尚且つ警察はろくに捜査もしなかったそうだからな」 翔太郎はナワルの過去を知り、十字教信徒のその残虐さに怒りを覚えた。 「確かにナワルだけに一方的に非があるようには見えないが……」 フィリップは十字教を憎むナワルの心情がどれほどのものか分かった気がした。 「翔太郎、これでわかったろう? あいつらは綺麗な顔をしながら内心俺達を下等な宗教の信徒と見下し、俺達が十字教が中心の国に 住めば大勢で俺達を殺しにかかる。何もしないでいてはこっちがやられるだけだ。俺はナワルに殺しはしてほしくないと願ったが、 もうそんなことはどうでもよくなってきた気がする。さっきのシスター共の綺麗な面で腐った教えを広める姿を見たらそう思ったよ。 思えば復讐を止めたいという俺の考え方が間違っていたのかもしれん。できれば俺も復讐に参加させてもらえればありがたい……」 「けどなカリール、いくらそんな過去だからって無関係な十字教の信徒を殺したりしていいはずがねぇ。それじゃ四年前の事件の十字教の 暴徒と同じじゃねえか!」 翔太郎はナワルとカリールの過去に心を痛めながらもナワルの復讐というやりかたは間違っているとカリールに説く。 「じゃあ復讐以外に何をすればいい? 家族の写真を見ながら感傷に浸る惨めな生活を送れとでも言うつもりか?」 カリールの言動は二日前にナワルを止めて欲しいと懇願した時とはまるで別人になっていた。やはりカリールも十字教への復讐をしたい のだろうか?翔太郎は思った。 「そんなこと間違ってるんだよ!!」 翔太郎とカリールの会話にインデックスが割り込む。 「翔太郎の言うとおりそんなやり方で何が変わるの? もっと何か別の方法が……!」 「まさか十字教徒共の復讐を望む者がナワルだけだと思ったのか? ナワルだけじゃない。四年前の暴動事件の生き残りの殆どは十字教徒への 復讐を望んでいるそうだ。まさか泣き寝入りしろなんて言うんじゃないよな?"彼等にも親しい友人や家族がいるから復讐などやめろ"なんて 家族を殺された者達に躊躇わず言えるか?これはナワル個人の問題じゃない。俺達ムスリム全体の問題だ」 カリールは割って入ったインデックスを睨みながら十字教への復讐を望む者はナワル個人だけではないと言う。 「復讐する者を止める者というのは気楽な者だ。復讐に走る者だけを見て、復讐の原因となった者達には目を向けないとはな。 "過去に囚われるな"という言葉も奴らの得意な言葉だよな。過去を切り離して物事を考える奴は最悪の愚か者だ。過去があるからこそ 現在の自分があるということに気がつかないのか?人間が簡単に過去を切り離して物事を考えられればこんな苦労はしない」 そう言うとカリールは当麻のアパートを出て行った。 「復讐か……」 「翔太郎、これは照井竜の時よりも事情が複雑のようだね」 照井竜……。仮面ライダーアクセルに変身する彼もまた復讐に燃える男だった。自分の家族を殺した男、Wのメモリの持ち主を追って……。 以前にも翔太郎、フィリップと復讐絡みで敵対した照井だったが、翔太郎やフィリップとの対立をえて、風都にいる間は風都のルールに 従うということで決着したが、今回ばかりはそう簡単な話ではない。翔太郎とフィリップは答えを出しあぐねていた。 ◇ 「おいおい……、道を歩いていたら急に夜になった……!これも魔術師の仕業ですかー?」 ナワルの捜索をしていた当麻は、第7学区内を歩いていると急に辺りが暗くなったことに驚いた。さっきまでは午後2時 だったのだ。いきなりこんな夜中になるなど魔術師の仕業に決まっている。当麻はまたかという感じで辺りを見回す。 相変わらず魔術師の類に好かれる体質のようだ。 「……ん?ひ!人が空中を歩いてる!?」 当麻は空を見上げると、白服の青年が空からこちらに近づいてくるではないか。 「お!お前も魔術師か!?」 当麻は身構える。 「いいえ、上条当麻、あなたに忠告をしに来た者です」 「うぉ!?いきなり目の前に!?」 宙を歩いていた白服の青年はいきなり当麻の目の前にワープして語りだす。白服の青年は空を指差しながら当麻の住む世界に危機が訪れている ことを話す。 「貴方達の住んでいるこの世界は既に他の世界に侵食され始めています。それを止められるのは貴方しかいません」 「俺達の世界……?俺達が住んでいるこの世界以外にも世界が存在するのか?」 「ええ、既に貴方達の世界に侵入している者達がいます。それを止められなければ貴方の住む世界は崩壊するでしょう」 「いきなり世界崩壊って言われてもなぁ……」 当麻はいきなり現れた男に自分の世界が崩壊すると告げられてもイマイチ信じきれていないようだ。 「信じられないのも無理はありません。それを証明してくれる人を連れてきました」 白服の男が空を指差すと、道路に巨大な雷が落ちる。 「うお!?」 突然降ってきた雷に驚く当麻。雷が落ちた場所を見ると、人影が見える。煙が晴れると、頭に傘のような帽子をつけ、白い服に 白い両目の男が立っていた。 「お前達の世界の崩壊に関しては私から説明しておこう」 「あ、あんたは……?」 「我が名はライデン。お前達の住む世界とは違う世界で神をしている者だ」 「か、神……?」 当麻はいきなり空から雷と共に現れた男の言葉に呆然としていた。 ◇ 「とりあえず俺はナワルを捜し行く。お前はその娘の傍にいてやれ」 「わかったよ翔太郎」 翔太郎は意を決してナワルの捜索に行くことにした。このまま悩んでいても仕方がない。ナワルを止めなければ犠牲者が 出るばかりだ。 その時翔太郎の携帯が鳴り、翔太郎は携帯に出る。 「はい、左です…………。あ、照井、お前もこの学園都市に?ん?無実を証明したい学生二人だって?わかった直ぐに行く」 「どうしたんだい翔太郎?」 「照井の奴がここの街に来てる。照井を襲った女学生が二人がいるらしくてな、その二人は自分達は照井を襲ったことは記憶にないと 言ってるんだ。俺は直ぐにジャッジメント(風紀委員)第177支部に行ってくる」 ◇ 美琴と黒子はジャッジメント(風紀委員)第177支部にあるパソコンで自分達がタハール導師からジャスミンを預かり、自分達がジャスミンを つれて歩いている所を映した監視カメラの映像を食い入るように見つめていた。自分達の潔白を何としても証明する為に固法にすがりついて、 パソコンを見させてもらっている。照井も必死に無実を主張する二人についに根負けしてパソコンで調べることを許可したのだ。 「あたしと黒子はジャスミンちゃんをここに連れて行ったのは覚えてるのよ。でもその後確か路地裏に行きたいってジャスミンちゃんが言って……」 「あ!お姉さま!見てください!ジャスミン嬢が懐から何か物を出しましたわ!それを自分の腕に…………へ?変身しましたわよ!?」 美琴と黒子は黒いマントで身を包んだ怪人に変身したジャスミンから何か言われ、頷くと、そのまま路地裏を立ち去っていく姿が映されているではないか。 「あ、あたし達はこの怪人に操られて……」 「……どうやら本当のことだったようだな」 照井はジャスミンが変身したのを見てドーパントだと確信した。 「っていうことはタハール導師もグルって可能性があるんじゃない?ホラ、ジャスミンちゃんの案内を頼んだのも導師だし……」 「これで決まりだな。固法といったな。直ぐにこの映像に映っている少女とタハール導師の捜索をアンチスキル(警備員)に頼んでくれ」 「ええ、わかりました照井刑事」 固法は照井の頼みを聞いてすぐさまアンチスキル(警備員)に捜索の依頼を出す。後輩二人が操られていたのだと知り胸を撫で下ろしたようだ。 その時ドアを開けて翔太郎が入ってくる。 「照井、お前、超能力を持った女学生二人に襲われたってな。その二人はどこだ?」 「左か。その学生二人ならこちらだ」 「俺は左。左翔太郎だ。風都で探偵業をしてる」 「あたしは常盤台中学の御坂美琴。こっちは後輩の白井黒子よ」 「お見知りおきを」 翔太郎は美琴と黒子に自己紹介を済ませた後、二人を操ったドーパントは何の力を持つドーパントなのかフィリップに連絡を取り、 フィリップは"地球の本棚"にアクセスする。 「人を操る力だからやっぱ"コントロール"か?」 「よし、"ドーパント"と"コントロール"で検索してみよう」 フィリップは"ドーパント"と"コントロール"で検索をかけるが、本が殆ど減らない。 「情報が不足しているね……。以前戦ったライアー・ドーパントのような能力だとは思うんだが……」 フィリップが困惑する。 「なあ、君達を操ったドーパントの映像を見せてくれるか?」 「え?いいけど……」 翔太郎はパソコンに映された監視カメラの映像のドーパントに変身したジャスミンが美琴と黒子に何か話しかけている所を注意深く見た。 よく見ると、指先から紫色の光線を出して、それを美琴と黒子に当てているではないか。 「まてよ?何かを"暗示"させているかもしれないな フィリップ、"暗示"で検索してくれ」 「わかったよ翔太郎。"暗示"を英語に直すと……suggest(サジェスト)か。」 フィリップは暗示の英語のsuggest(サジェスト)で検索をする。するとみるみる本が減り、一つ残った本をフィリップが読み始める。 「翔太郎、タハール導師と養女のジャスミンはナワルとグルだ!!」 「何!?こうしちゃいられねぇ!直ぐにナワルを捜索するぞ!」 翔太郎は世界有数の大富豪がナワルと共犯だとは予想がつかず、何としてもナワルを見つけるべく支部を出ようとする。 「待って!あたし達も一緒にその人と導師を探させて!」 「わたくし達ジャッジメント(風紀委員)の力が必要になりますわ」 「仕方ねえな……」 「わかった……」 翔太郎、照井は美琴と黒子がナワルの捜査に加わることに同意した。 ◇ 翔太郎、照井、美琴、黒子はそれぞれ二人一組でナワルの捜索を開始した。しかし一向にそれらしい人間を見たという情報はない。 「写真の男の人は知らない。と、ミサカはミサカは言ってみる!!」 「……だめだなこりゃ」 「次に行くぞ左」 翔太郎と照井は血眼で捜すがやはりナワルを見たという情報はない。二人が苛立ちを隠せずにいた時、男女の二人組が翔太郎と 照井の前に立ちはだかった。 「左翔太郎と照井竜ですね?我々ネセサリウス(必要悪の教会)から捕縛命令が出ています。場合によっては殺しても構わないという指令 ですので、言うとおりにした方が懸命です」 翔太郎と照井の前に立ちはだかった二人はネセサリウス(必要悪の教会)所属の魔術師、神裂火織とステイル・マグヌスだ。 「ネセサリウス(必要悪の教会)……、噂だけなら聞いたことがある。イギリス清教を実質上取り仕切るといわれる部署……。そんな 者達が俺達に何の用だ?」 照井は神裂とステイルを睨みながら質問する。一日に二度も喧嘩を売られて流石に頭に来ているようだ。 「僕達としても上からの命令は絶対なんでね……。抵抗するなら力づくで連れて行くよ?」 ステイルは目の前にいる二人が井坂以上に危険な存在には見えなかったが、任務を優先させることにした。 「君達がドーパントよりも危険な存在であるかどうか証明できるのかい?」 「俺に……、質問を……、するな!!」 ついに堪忍袋の尾が切れた照井はアクセルドライバーを装着し、アクセルメモリを取り出す。 「変ッ……身!」 『アクセル!』 アクセルメモリを差込み、アクセルドライバーのスロットを捻り、アクセルに変身する 「ちっ、面倒なことになってきやがったぜ。フィリップ、変身だ!」 「OK、翔太郎」 翔太郎とフィリップも照井に続きWドライバーにメモリを差込み、変身する。 『サイクロン!』 『ジョーカー!』 『サイクロン・ジョーカー!』 「貴方の相手は私がします」 「上等だ!魔術師だかなんだか知らねーが、売られた喧嘩は買ってやる!」 「僕の相手は君かい」 「さぁ、振り切るぜ!」 神裂が自身の得物、刀身が2メートルもある長刀、「七天七刀」を抜き、Wに斬りかかる。 「七天七刀」の斬撃がWのボディに傷をつける。 「がぁ!」 翔太郎はこの長大な刀をいとも容易く操る神裂に驚愕した。魔術師というのは生身でもこのような強さなのだろうか、と。 「翔太郎!ここはサイクロン・メタルでいこう!」 武器がないことを不利と見たフィリップはメタルシャフトを持つサイクロン・メタルに変身するよう進言する 「よし!」 『メタル!』 『サイクロン・メタル!』 メタルシャフトが「七天七刀」の斬撃を止める。恐ろしい程の強度を誇るメタルシャフトであれば「七天七刀」の斬撃といえど 破壊できるはずがない。Wはメタルシャフトを棒術の要領で操り、神裂が繰り出す斬撃を次々と捌いていく。 達人級の剣術の使い手である神裂は無駄のない動きで斬撃を繰り出す。しかしWも負けじと棒術で応戦する。神裂よりも 恐ろしい剣術を使うドーパント。霧彦を相手にしてきた翔太郎にとって神裂の剣術はさして脅威ではない。 「やりますね……。ならばこれならどうです?」 神裂はそう言うと「七天七刀」を鞘に収める。 「七閃」 その瞬間七本のワイヤーが地面を切り裂きながらWに襲いかかった。 瞬速の速さで「七天七刀」を抜刀し、七筋に切り裂き、鞘に納める神裂の得意技の一つ、「七閃」である。 「ちぃ!」 Wは七本のワイヤー攻撃をかろうじて避ける。細いワイヤーといえど地面を切りながら来るので避けること自体は難しい ことではないが、七本全てを避けるには困難を窮める。 「何度避けてもこの七閃からは逃げられません」 神裂はそう言うと七閃を連続で繰り出してくる。Wはワイヤーの攻撃を避けるだけで精一杯だ。 そしてついにワイヤーがWを捉えるが、メタルで強化されたWのボディはワイヤーの攻撃にかろうじて耐えた。 「くっ!」 「翔太郎。ここはマキシマムドライブで一気にケリをつけるしかない」 「仕方ねぇ……、じゃあこっちも本気で行くぜ!」 Wはメタルシャフトにマキシマムメモリを差し込む 『メタル!』 『メタル・マキシマムドライブ!』 「メタル・ツイスター!!」 サイクロン・メタルのマキシマムドライブ『メタル・ツイスター』を繰り出し、自分の周りのワイヤーを吹き飛ばす。 「ちぃ!!」 神裂はワイヤーが全て弾かれると、「七天七刀」を素早く抜き、Wに向かって斬りかかってくる。 「翔太郎!魔術師とはいえ相手は生身だ!」 「わかってる!」 翔太郎は神裂の身体にメタル・ツイスターを当てずに、「七天七刀」に当てて神裂の得物を弾き飛ばす。 「あ!?」 「今だ!」 Wは手刀を神裂の首筋に軽く入れると、神裂は力なく地面に倒れた。 「ふー、魔術師ってのはこうも厄介なもんかよ」 翔太郎は魔術師の想像以上の力に脅威を感じていた ◇ 「顔の傷なら心配要りません。直によくなりますよ」 学園都市一の名医である冥土帰し(ヘブン・キャンセラー)の治療を受け、リリーナは即日に退院した。 カリールの蹴りと右ストレートを食らって、顔を数針縫う怪我を負ったリリーナは、オルソラ=アクィナスの元へと帰宅していた。 「あー痛い……」 まだ痛む顔の傷を摩りながらリリーナはそう呟く。十字教の教えを広めるというのも大変だ。しかし信仰を広めるということは 困難なもの。シスターオルソラのしてきた苦労はこんな比ではないはず。自分も一人前のシスターになるべく頑張ろうと自分に 言い聞かせるリリーナであった。 「お嬢さん、君の信仰する教えについて是非聞きたいことがあるんだけど?」 リリーナの前に立った長身のアラブ人男性、ナワル・ラディは嫌な笑みを浮かべながら言った。 「あ!十字教の教えについてお知りになりたいのですね!」 リリーナの表情が一気に明るくなる。自分に布教の仕事を神が与えてくれたのだと感激していた。 「ここじゃ何だから別の場所に移動しようか?」 そうナワル言い終わる瞬間、リリーナの意識は遠のいた。ナワルの目にも留まらぬボディーブローにより意識を失ったのだ。 「お……ね………………が……い……、た、助け………………て…………」 ナワルに第十学区の廃ビルに連れ込まれたリリーナは両手首両足首を折られ、腕に鎖を巻かれて吊るされた状態でナワルのサンドバックと化していた。 もちろん、ナワルは長時間痛ぶれるようにわざと手加減してリリーナの鳩尾、太股、肩、腰、膝、喉、胸、などに打撃をかれこれ1時間以上打ち込んでいる。 リリーナは既に虫の息だった。顔面にも容赦なくナワルの拳や蹴りを打ち込まれ、顔はお多福のようにはれ上がり、歯という歯は全て折られていた。 「断る。もう少し楽しませろ」 消え入るような声で懇願するリリーナの要求を無視し、ナワルは再びリリーナの全身に打撃を打ち込み始める。 顔面に右ストレート、右肩に手刀、左肘に蹴り、右膝に左フック、顔面にハイキック、鳩尾にボディブロー、喉に手刀、顔面に左ストレート、左肩に踵落とし………………。 「……ちっ、もうくたばったか」 休む間もないナワルの打撃の嵐によりついにリリーナは息絶えた。お多福のように晴れ上がったその顔は恐怖と苦痛に歪んだ表情をしていた。 「まぁ、それなりに楽しめたからよしとするか」 ナワルは恐怖に歪んだリリーナの右頬を舌で舐める。 「いいねぇ……絶望と恐怖の味だ……」 ナワルは薄気味の悪い笑みを浮かべながらまた一人十字教徒を絶望という名の死を迎えさせたことに満足していた。 「次からはもう少し活きのいい信徒を殺すか……。クククク……ハハハハハハハハ!!!!!!!」 ナワルは大音声の高笑いを数分間し続けた。ナワルの不気味な笑い声だけが廃ビルに響いていた。 次回 第5話 兄弟の絆
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フィリップイッセイフォンハインスベルク(フィリップ1世・フォン・ハインスベルク) ケルン大司教の一。
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無念 としあきNo.4008 とりあえず オブラートに包みつつ なあなあの姿勢でお知らせ入れといた これで よほどのキッチリさん以外はこっちに流れてくると思う 決して 上げんなレスを無視したわけじゃあないよ むしろ後方(広報)支援だよ…お知らせだけにね 無念 としあきNo.4009 「携帯小説スレッド」に続く黒歴史… ちょっとしたルールくらい守ってほしい… ACの人たちも迷惑してるっぽい 無念 としあきNo.4015 なんか必死な人いるな 無念 としあきNo.4020 お前だな 無念 としあきNo.4024 二人ともピザを食べて落ち着くんだ つ(例のピザ) 無念 としあきNo.4025 最近のアーマードコアってそんな無茶なスピード出せるんだ 初代しかやったことない 無念 としあきNo.4026 ホワイト・グリントのランクが9なのは⑨を意識してるって聞いた 無念 としあきNo.4028 そうなの? てかホワイト・グリントの実際の実力ってもっと上だよな あえて高みを目指さないだけで 無念 としあきNo.4029 実際ランク1の王子よりは強いっしょ てか王子がトップなのが不思議 無念 としあきNo.4030 ⑨…、トラウマが呼び覚まされた 無念 としあきNo.4031 ACの雑談邪魔だからあっちでやってほしい このスレほとんどACの話題じゃん 別に携帯虹裏自体過疎ってんだし、だれも文句なんかいわねえよ 無念 としあきNo.4033 さてボス面した子の登場だ 無念 としあきNo.4034 No.4033は余計な事言わないでくれ とりあえず代表して謝る 極力AC小説の話するから許してくれないか? 無念 としあきNo.4037 まあこのスレは小説感想関係総合スレって前スレのとしあきが言ってたしな 俺に許す許さない言う権利は無いがある程度自重してくれ、せめて小説の範囲内で ちなみに俺はNo.4031ではないが 無念 としあきNo.4040 ACの雑談すら受け付けないようじゃ リレー小説なんか書けるわけない たいていの事はちくわ食って落ち着こうぜ って…さっきコンビニで立ち読みしてた二人が話してたよ 無念 としあきNo.4041 過疎ってるからスレ立てて平気とか… 小説スレ自体の先を見通して言ってんのか 風当たり悪くなるのは誰だ? 無念 としあきNo.4043 AC組の1人として自重する あんまり小説から話逸れないようにするから許して 無念 としあきNo.4048 俺もNo.4031じゃないけど 、 実際ここまでACの話ばっかだと別スレ立ててやってくれたほうがお互いにいいと思う 無念 としあきNo.4049 なんでAC組は無駄にこのスレにこだわるんだ? 他スレたてりゃいいじゃん 無念 としあきNo.4051 4049 立ってるよ リレー小説感想スレ 次次4へ
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|ョω・)< 小説コーナー ギルドメンバーが作った小説をどんどん出していくよー にゃたり 4作 みろう。 1作 ヒミカ 1作 カリカーチャ 木田君 湖慧(こえ) 空色クオーツ 虚空蓬來 澪苑
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アリス・イン・カレイドスピア 猫とともに去りぬ ゲート 自衛隊彼の地で斯く戦えり ΑΩ―超空想科学怪奇譚 ケルベロス 境界線上のホライゾン カンピオーネ! ゼロの使い魔 迷宮街クロニクル マザーズ・タワー ドラキュラ紀元 ドラグネット・ミラージュ 召喚教師リアルバウトハイスクール アリス・イン・カレイドスピア 著者:最近 出版:星海社FICTIONS 天に浮遊する巨大な大陸“地上(天獄)”。重力に縛られた広大な大地“地底(地獄)”。地上と地底を貫く天地の通路“世界槍”が聳え立つ世界――。魂なき人類“哲学的ゾンビ”たちが住まう地底都市ザドーナと、その哲学的ゾンビを退治すべき“異獣”と見なす地上の北辺帝国は、激烈な交戦状態にあった。互いに空想を撃ち合い、解釈で殴り合う。荒唐無稽な想像力が勝敗を決する改竄戦争の舞台で、一騎当千の“妄想狂”たちの、天地の覇権を懸けた壮絶な“世界の書き換え合戦”が幕を開ける!! 某小説投稿サイトにて『幻想再帰のアリュージョニスト』によって業界(の一部)に衝撃を与えた最近氏の初の商業作品。『幻想再帰のアリュージョニスト』と世界観を共通する本作は、シェアードワールド企画『ゆらぎの神話』を筆頭に「数限りない虚構の引用によって構成されて」いる。 その『参照先』は、それこそ太古の昔から語り継がれる神話や人類史に名を刻む古典から、現代のアニメ・漫画、果てはネットに氾濫する個人作品まで及び、そしてそれに留まらない。古典哲学に自然科学に思考実験、都市伝説や民間伝承、ネットの流行り、etc.etc……数多のイメージを押さえつけることなく、圧倒的スケールで纏め上げた本作はれっきとしたオリジナルの作品でありながら、これまで存在したあらゆる物語によるクロスオーバーであるとさえ言える。これがカオスフレアの参考にならずしてなんになるというのか。ストーリーそのものは王道であり、『奇怪な世界観と王道ストーリー』の取り合わせもまたカオスフレア的といえる。 まあ、そのような細かいことを考えずとも、330Pに限界を超えて詰め込まれたカオスな戦いはそれだけであなたの想像力を嫌というほど刺激してくれるはずだ。哲学的ゾンビ達が『自然科学(この世界ではそれすら呪術の一種だ!)』によって築き上げた「科学の魔法の入り混じった」(作品世界的に適当な表現ではないがあえてこう記述する)軍団の描写はネフィリムやテオス、あるいはロードモナークの参考に。そして自らの世界観を世界に押し付け自在に改変する『邪視者』たちの力は、コラプサーを始めとする超存在たちの描写に役立つだろう。 炎の邪視者が『アストラルネット』を『炎上』させ、吸血鬼が放つ蝙蝠の群れが軍隊を高度に情報化する。主人公の幼馴染は200人の『脳内彼氏』の軍団を具現化させて使役し、闇妖精のヒロインの羽は、『たっぷりと苺のジャムを塗った蝶の如きパン』! なんともカオスフレア的ではないか。 なお、迷言の宝庫でもある。「島よりも壁の方が大手だからな」をシリアスなバトル中に解説役が放つ様は、まさにカオス。 猫とともに去りぬ 著者:ジャンニ・ロダーリ 訳者:関口英子 出版:光文社 さあ、考えてみよう。銃を使わないでピアノを使うカウボーイはどう悪に立ち向かう?魚が釣れない釣り人がタイムスリップする理由は?シンデレラの世界がSFだったら?といった、突拍子もない物語が詰まった短編集。著者の物語理論が詰まっている集大成的作品だが、その理論が素晴らしくカオスフレア的。 まったく関係のなさそうな二つの要素を一つにするとまったく新しいものができる。物語の中に変なものを入れると違う物語ができる。単語に「非」や「全」といった言葉をつけるとまったく違う言葉になる等がある。周りとトンチキで差をつけたいなら買って損はしないだろう最初に挙げた物はカオスフレアでも容易に発見できる。代表的なのは日本とSFの富嶽だろう。 そして、登場人物が超常現象が起こっても社会的決まりを変に気にする。美酒町の参考にも。 ゲート 自衛隊彼の地で斯く戦えり 著者:柳内たくみ 出版:アルファポリス(全5巻) 20xx年。東京・銀座に忽然と出現した“門”から現れた中世時代の如き軍勢は『帝国』を名乗り、民間人に対する無差別殺戮に及んだ。後に銀座事件と呼ばれるこの騒乱は、皇居を利用した警察・機動隊の民間人避難と籠城、そして自衛隊の出動により帝国軍勢の撃退と“門”の確保で幕辛うじて収束。日本政府は帝国に対する銀座事件の損害賠償と再発防止の為に“門”の向こう側=「特別地域(特地)」への自衛隊の派遣を決定した。特地側の“門”を中心に自衛隊の基地が作られ、実地調査の為に特地の奥へと偵察部隊が出動する。その中の一隊、第3偵察部隊を指揮するのは、銀座事件で皇居利用を立案した功績者にして筋金入りのオタク自衛官、伊丹耀司二等陸尉だった――。 投稿小説サイト「Arcadia」で2006年~2009年に連載されたウェブノベルを元に、商業単行本化されたファンタジー(+現代)小説。所謂「異世界召喚モノ」の系譜ではあるが、個人~組織の範囲で収まる事の多い異世界との接触を国家・社会レベルにまで広げた意欲作である。中世ファンタジー世界の『特地』に派遣された自衛隊が現地の住人と交流し、時に戦う姿は、カオスフレアの根幹の一つである「異世界同士の接触」の光景と重なり、主人公である伊丹二尉がオタクならではの機転と判断力で特地での任務を切り抜けていく辺りもまたカオスフレアにおけるフォーリナーの有り様に通じる所が有ると言えよう。」 ΑΩ―超空想科学怪奇譚 著者:小林 泰三 出版:角川書店 原因不明の旅客機墜落。乗客乗員全滅という凄惨な事故現場より、諸星隼人は腕一本の状態から蘇った。それは真空と磁場と電離体からなる世界より、正体不明の「影」を追って地球に飛来したプラズマ生命体「ガ」によるものだった。隼人の復活を奇跡として活動を活発化させる新興宗教アルファオメガ。あらゆるものを飲み込んで巨大化する竜。世界を覆い尽くさんとする人間もどきレプリカント。人類が破滅の危機が迫る時、隼人の肉体は膨張し、白銀の巨人へと変身していた! 新進気鋭のホラー作家、小林奏三が手がけた超SFハード・アクション。一見してグロテスクな描写に溢れるが、それでも「ガ」による隼人の復活、巨人への変身プロセス、次々に現れる想像を絶する異形の敵との戦いなど、その枕詞に恥じぬ空想科学怪奇な物語が繰り広げられている。 わけても興味深いのは《光の巨人》達の「世界」が描かれている事だろう。人類の理解の範疇を完全に超越した彼らの生活描写や、また人間である隼人と交流し、パスを繋げ、共に最終決戦に挑む様などは《光の巨人》のロールプレイの参考にならない筈がない。 加えて、元ネタを知らなくても楽しめるパロディのやり方という意味においても、本作は参考になるだろう。細部に散りばめられた小ネタは、ネタ元がわからなくてもすんなりと読めるように施されている。そもそもからして本編自体が『ウルトラマン』のパロディであるにも関わらず、その描写は『ウルトラマン』頼りではないのだから。 まあ、細かいことは脇においておいて、夜の街を舞台に「ゼアッ!」と叫びながら巨人が大怪獣に跳びかかる様に胸を踊らせ、我々の街を脅かす「影」のおぞましい侵略行為に恐れおののき、強敵が「まだ私は変身を二つ残している」だの「貧弱貧弱ゥッ!」と叫ぶのに腹を抱えて笑いながら、物語を楽しんでいただきたい。読み終えた時、あなたは不思議な満足感に浸れる筈だ。 ケルベロス 著者:古橋秀行 出版:メディアワークス文庫 三首四眼五臂六脚、戦場に現れ一軍をも滅ぼすという、これは一匹の怪物の物語である。 不死にして最強の“もう一匹の怪物”覇王ラガンによって国々が蹂躙されていた時代、国境間近の街に三人の半端者が流れ着いた。口八丁の無気力なヒョウ使い。突くべき鐘を持たない巨漢の鐘突き男。亡国の皇姫を自称する薄汚れた小便餓鬼。奇妙な彼らが出会う時、“怪物を殺す怪物”が凄まじい産声をあげる……! 『ブラックロッド』によって鮮烈なデビューを飾り、『シスマゲドン』で妹萌えを明後日の方向に放り投げ、『サムライレンズマン』『デモンベイン外伝』で既存世界の未来を侵略した“鬼才”古橋秀行の最新作。シェアードワールド企画「龍盤七朝」と題し、 秋山 瑞人の『DRAGONBUSTER』と同時にスタートした、中華ファンタジーである。しかしながら特筆すべきは、その凄まじいまでの武侠モノの雰囲気だろう。 怪物としか言いようのない覇王ラガンの想像を絶する強さを手始めに、登場する武侠たちが積み上げてきた攻夫の冴えは武侠をプレイするならば必読であろう。 また重要なガジェットとして登場する《龍の佩玉》の“重さ”や、主役三人がパスをつなげていく様、そしてそのパスが世界へと広がっていく様は、実にカオスフレア的だ。 ある種、今現在で最も入手容易かつ読み易い武侠小説であるので、そういったモノに興味があるという人も、是非一度読んでみて頂きたい作品である。 境界線上のホライゾン 著者:川上稔 イラスト:さとやす 出版;メディアワークス電撃文庫 人類が天上から戻った時代。極限環境と化した地球上で唯一の人類生存領域・極東を分割統治する列強各国は、“聖譜”に記録された人類史に従い歴史を再現する事で再び天に到らんとしていた。列強によって極東に引かれた国境線、その上を航行する極東所属の航空都市艦『武蔵』―― 武蔵が独立自治領・三河への寄航を控える最中、武蔵アリアダスト教導院の生徒会長“不可能男”葵・トーリは、周囲を巻き込んでパン屋に勤める自動人形の少女P-01sに告白せんと意気込んでいた。しかし、三河が引き起こした事件は世界列強を揺るがし、白日の下に晒された事実が二人を引き裂く。葵は教導院の仲間達と共に、列強に立ち向かう事を決意する。少女を今度こそ救う為に。10年前に誓った夢を、叶える為に。 1997年刊の『パンツァーポリス1935』から(世界時間軸を前後しつつ)十年以上に渡って続く『都市世界』シリーズ最新作。従来の基板世界の上に学園モノ、日本史、世界史、SF、ファンタジー等の要素を盛り込み、クロスオーバー色が最も色濃いシリーズとなっている。 ローマ教皇と本多正純が舌戦を繰り広げ、東国最強と西国最強が刃を交える。天動説と地動説を自在に操る魔神ガリレオに、戯曲世界を具現化する眼鏡少女のシェイクスピア。航空戦艦を操るは、艦名を冠したメイド服の自動人形達。野球部主将はバントで魔法攻撃を叩き落し、有翼の魔女は巨大ロボ“武神”とドッグファイトを繰り広げ、陸上部員は八艘飛びで航空艦を飛び越え、商人は財力にモノを言わせて武神の剛力と互角に殴りあう!――種族・歴史・幻想・国家・科学・魔法、ありとあらゆる要素と概念が入り混じるその様は、カオスフレアに負けず劣らずのトンチキ(褒め言葉)っぷり。シリーズ開始に先駆けて、A4版780頁に渡る設定資料が用意されたのもむべなるかな、である。 「ライト」ノベル名義に反して一巻毎のページ数が半端無く、その厚さは電撃文庫の枠を越え既にライトノベル全体での最厚記録の上位ランカーとなっている。シリーズ半ばの巻の時点で前シリーズ『終わりのクロニクル』最終巻のページ数を越え、最新巻では1000頁寸前にまで到達。最早タテ置きで自立するのは当たり前、生半可なブックカバーの庇護を受け付けない、鈍器の域だ。 本編全29冊・番外編3冊+電撃文庫magagine連載の未単行本化番外編『課外授業』+アニメ版BD特典の前日譚全8冊+ウェブ連載中の続編からなるボリュームは「是非一読を」とは気軽に書けないレベルに達しているが……カオスフレアに旧版から付き合い続けている筋金入りのGM/PL諸氏には、是非“挑んで”頂きたく思う。色々な意味で。ところで。金髪巨乳美女とゲーム全般をこよなく愛し、番外編の三分の二を割いて中世時代の食事の解説と製作方法を(写真付で)書き連ねる川上氏は、ハッタリカイザーの二人と物凄く通じる部分が多いと思うのだが。如何か。 2011年・2012年秋には誰もが「正気か」と目と耳を疑ったアニメ化も実現。原作のⅠ上下(※普通のラノベなら4冊分のボリュームです)を枝葉切り押しとしつつⅠクールに纏め上げる力技と、コメンタリー脚本から特典小説までノリノリで書き上げる川上氏の勢いに注目である。 カンピオーネ! 著者:丈月城 イラスト:シコルスキー 出版:集英社スーパーダッシュ文庫→ダッシュエックス文庫 草薙護堂は神殺しである。 人間でありながら神を殺しその権能を簒奪せし魔王、カンピオーネ。最も若く新しいカンピオーネである草薙護堂の騒がしいながらも平穏な生活は、神器ゴルゴネイオンを託されたことから終わりを告げた。再び神と相見える時が来たのだ…… 著者が「超必殺技」と呼ぶに相応しい10の化身を持つ東方の神、ウルスラグナの権能。ぶっちゃけその使用制限が厳しすぎる超必殺技“だけ”を持った主人公護堂がいかにして難敵を破るかが本作の見せ所である。その様はクライマックス限定特技や1シナリオ1回特技だけをひたすら取った、対ダスクフレア戦闘特化の聖戦士をするときに非常に参考になるだろう。 そして彼に付き従い護る女性陣も本作の魅力のひとつ。自称護堂の愛人である魔術師にして騎士のエリカ、霊視の力を持つ巫女祐理、エリカのライバル魔術師のリリアナにボーイッシュや野生児な剣の巫女祐理といった個性的なメンバーからなる典型的なまでのハーレムパーティである。他にもサブキャラとして20代の美女にしか見えない高齢の魔女ルクレチアや麗しき最強の仙女武侠羅濠教主等等…。それぞれのコロナが何なのか想像するのも楽しいだろう。 コラプサーを演じるに当たっても実に参考になる作品である。傲岸不遜、人間のことなど塵芥ほども意識していない超越者たちの描写も見事。 是非一度読んでもらいたい作品である。 ゼロの使い魔 著者:ヤマグチノボル 「あんた、あたしの使い魔になりなさい!!」 平凡な少年、平賀才人の人生は光り輝く鏡に触れた瞬間に一変した。異世界ハルケギニアのトリステイン魔法学園女子生徒、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールによって召喚されてしまったのだ……彼女の「使い魔」として! メイジ=貴族の家柄でありながらも魔法の才能が無い"ゼロの"ルイズに振り回されながら、才人はやがて、彼女と自身、そして世界の秘めた謎へと近付いて行く事になる…… 「ツンデレ」ブームを巻き起こした傑作ファンタジーライトノベルである。カオスフレア等でお馴染みの「異世界へ召喚される」という王道に「使い魔として」という一文をくっつけ、主人公である少年の苦労、そして主人とのラブコメをきっちり描きつつ、世界情勢や二人の秘めた謎について進行していく物語は、まさにキャンペーンのシナリオソースとして最適だ。 ヒロインであるルイズは、その特殊な才能による鬱屈から「ツンデレ」的な性格を持っているのだが、彼女によって酷使される主人公の姿はフォーリナーの暗部を描いている……と言っても過言ではあるまい。二次創作においてはその部分が大きくフューチャーされている(なにせ『家畜人ヤプー』を組み合わせた同人誌まであるのだ!)事を除いても、いきなり呼び出された挙句、半ば強制的に「勇者/使い魔」扱いされて扱き使われてしまうのだ。リプレイ『世界の卵』で姫子がテオスに捕まった事を鑑みても、この状況を他人事と笑えるフォーリナーは少なかろう。 また「魔法の存在する中世封建世界」を(多少設定や登場人物の行動がアレな面があるとはいえ)きっちり描いているのも、オリジンの参考資料としては適切かと思われる。もちろん、オリジンと違ってハルキゲニアには貴族と平民といった身分制度はしっかりあるのだが、本来は存在しないだろう「ゴムの入った下着」やら「黒板とチョーク」やら、蒸気エンジンを開発しても「魔法でやれば良い」と言われる技術者の姿、また「エロ本」が凄まじい価値を持つ一品として扱われるなど、実にカオスフレア的である。 ヒロインのルイズは「魔道書を邪剣にした邪剣使い」であり、主人公のサイトは「光翼騎士」、また彼の相棒である魔剣デルフリンガーは《伝説の剣》である為、そういったキャラクターを演じる時のロールプレイの参考にもしていただきたい。 迷宮街クロニクル ①迷宮まで何マイル? ②散る花の残すもの ③夜明け前に闇深く ④青空のもと 道は別れ 著者:林亮介 出版:GA文庫 ――京都、迷宮街。ここでは人は簡単に死ぬらしい。 一昨年前に京都を襲った大地震は、意外な副産物をこの街に残した。地下に広がる大迷宮への入り口と、そこから溢れ出る怪物達。自衛隊による掃討作戦に失敗した政府は、迷宮の探索と怪物駆除を一般人の志願者に解放。更に怪物達の身体から得られる稀少化学物質を高額で換金する事を発表した。――それは正に現代のゴールドラッシュ。死亡率14%と云うリスクにすら怯まぬ若者達は、挙って京都に集結した。ある者は一攫千金を夢見て、またある者は迷宮探索に生き甲斐を求めて、そしてまたある者は…… これは現代に出現した迷宮街・京都に集う者達の、生死隣り合わせの群像劇である。 「もし、現代日本に怪物の潜む地下迷宮が出現したら?」――そんな発想の元に書かれたWeb小説『和風Wizardry純情派』。Web連載から5年を経て、大幅な加筆修正を加えて商業書籍化されたのが本書である。商業化に際しタイトルから名こそ外れたが、本作の根幹を為すのがあの名作RPG『ウィザードリィ』である事には変わりない。商店街に冒険者の酒場ならぬ居酒屋と簡易宿泊所とコンビニが軒を連ねていたり、冒険者達がインターネットで情報を発信したり、本業を持ちつつ休日に迷宮に挑む“週末冒険者”が存在する辺りは、現代日本が舞台ならではだろう。 Web連載当時、筆者は登場人物の生死をダイスで決めていた。故に主人公枠であろうが脇役であろうが、フラグを立てていようがいまいが、作中での死の可能性は均等に待ち構えている(そして京都にはカント寺院は存在しない!)。その事が物語に緊張感を持たせていると共に、群像劇としての重さと彩りを生み出している。ゲームをモチーフとしていながら登場人物の描写が所謂『ゲーム的』と一括り出来ないのも、その辺りが大きな要因だろう。 現代の京都の地下に広がる大迷宮は、同じくウィザードリィを原典とするニューマンハッタンと試練場に重ねる事が出来る。しかしそれ以上に注目したいのは、「ごく普通の日本の若者が、命を賭けた冒険に赴く」と云う点だ。日常の生活から非日常の冒険に――それは正にオリジンに降り立ったフォーリナーも同じだ。無論、迷宮街の若者達は選ばれた勇者でも無ければフレアも操れない。だが、非日常の世界で己の力を頼りに戦い、生死隣り合わせの状況に晒され、それでも生き延びんとする姿は、現代人のメンタリティを持つフォーリナーを演じる上で大いに参考になるのではないだろうか? とりあえず、ヘルメットは買っておこう。話はそれからだ。 マザーズ・タワー 著者:吉田親司 出版:ハヤカワSFシリーズJコレクション 西暦二〇三八年、スリランカ―インド間を結ぶ巨橋を拠点とする《マザーズ教団》は、難病の子供達の末期医療に従事していた。教団代表の葵飛巫子はインド州軍の襲撃を予測し、巨橋を崩壊させて教団ごと避難する決意をする。攻撃開始の日、それぞれの理由で巨橋に居合わせた4人の男達は、飛巫子の素顔と、人類の未来を左右する真の目的を知った。医学、財産、電脳、怪力――それぞれの要素に恵まれた男達は、彼女の為命と才覚の全てを賭け、太陽系最大の建造物・軌道エレベータの建造に挑む! 登場人物は個性溢れるという表現では言い表せない濃いメンバーばかり。脳医学の世界的権威にして凄腕の潜入捜査官、そして神懸かり的な女装の達人ノートン、仏に帰依した僧侶にしてスキューバダイビングとロッククライミングを極め、そして電脳の世界を支配する天才ハッカーナンディ、凄腕トレーダーにして天才弁護士、そして巨万の富を注ぎ込んで作り上げたハイテク密輸船の船長でもある飛鷹、南極で200人以上の子供をたった一人で救助した心優しき英雄にして、全長数キロの巨橋を支えるほどの剛腕と卓越した戦闘スキルで一個師団すらも壊滅させる戦闘サイボーグジェルジンスキー。そして、彼らが命をかけて守ると誓った美貌の少女飛巫女。 何と言う登場人物、何と言うカオスなのか。生まれた場所も時も異なる男達が共闘する様はまさにカオスフレアそのものである。普通の作品なら一人が持つ一つの要素だけでも十分主人公を張れるキャラクター達。これでもかっ!と言うほどミームとブランチをマルチしたその姿はカオスフレアをする際の参考にぴったりだ。その戦いの果てにあるものを、是非その目で確かめて頂きたい。 ドラキュラ紀元 著者:キム・ニューマン 出版:創元推理文庫 ヘルシング教授敗れる!ドラキュラ伯爵は女王との婚姻に成功し、遂に英国を支配した。そんな中、霧の都ロンドンにて吸血鬼娼婦ばかりを狙った連続殺人事件が発生。マイクロフト・ホームズの命令を受けて調査に乗り出したのは諜報機関ディオゲネス・クラブの敏腕スパイ、チャールズ・ボールガード。彼は四世紀を生き延びた永遠の美少女、吸血鬼ジュヌヴィエーヴと共に<銀ナイフ>或いは切り裂きジャックと呼ばれる殺人鬼を追いかける。事件の背後に存在するのはモリアーティ教授か、モロー博士か、はたまた……虚実入り乱れる一大群像劇! 「ドラキュラによって支配された英国」という舞台設定を用意する事で、19世紀を題材にした各種小説映画演劇作品の登場人物を集合させる事に成功した傑作クロスオーバーである。それだけでも文庫一冊に相当するだろう巻末の登場人物辞典も必見。知らなくても楽しめて、知っていれば更に面白い。これぞクロスオーバーのあるべく姿であろう。 尚続編の『ドラキュラ戦記』では、第一次世界大戦を舞台に連合国のラジオドラマ撃墜王部隊VSレッドバロン率いる史実のドイツエース部隊、そしてそれを見守るエドガー・アラン・ポーという夢の様な光景が繰り広げられる。そして第三作『ドラキュラ崩御』では20世紀のローマを舞台に、若き英国諜報員へイミッシュ・ボンド(!)が映画の登場人物、俳優の間を潜り抜けるミステリ・サスペンスに一変! 因みにシリーズ通してのヒロイン、吸血鬼ジュヌヴィエーヴは、同著者がジャック・ヨーヴィル名義で発表したウォーハンマーの小説作品『ドラッケンフェルズ』にも登場している。近年になって復刻されたので、是非手に取って頂きたい。 ドラグネット・ミラージュ 竹書房ゼータ文庫/著者:きぬたさとし(原案:賀東招二) 画:篠房六朗 小学館ガガガ文庫/著者:賀東招二 画:村田蓮爾 15年前、西太平洋上に突如として出現したゲートは、妖精や魔物が存在する剣と魔法の世界『レト・セマーニ』へと通じていた。現在、ゲート同時に出現したカリアエナ島サンテレサ市は地球側の玄関口として機能している。両世界の移民で賑わうこの街は、その一方で魔法的物品や近代兵器、民族対立と文化衝突の介在する混沌と化していた。 同僚を殺した呪術師と、誘拐された妖精を巡る事件を追っていた敏腕刑事ケイ・マトバは、同じく妖精を連れ戻す使命を帯びた騎士との合同捜査を命じられる。ところが現れたのは美少女騎士ティラナ・エクセディリカであった。習慣と文化の違いから衝突を繰り返しながら、二人は真実を探して走り出す。 きぬたさとし氏こと『フルメタル・パニック!』の賀東招二による、刑事ドラマ――というより、どう見てもカオスフレアな小説である。サンテレサ市は正しくニューマンハッタンそのものだし、神と正義と名誉の為に突貫するティラナと、現代社会のやり方で捜査を進めようとするケイの対立(「怪しい奴を片端から捕らえれば……」「こっちにゃ基本的人権って神様がいるんだよ!」)のやり取りなども、実にカオスフレア的だ。 またケイが「彼女は彼女達の『科学』に基づいて調査している」という事実を認め、ティラナが「この銃にはラーテナ(フレア)が宿っている!」と驚き、相互理解を深め、共に事件解決にあたる展開は、カオスフレアの参考作品としても、純粋な娯楽小説としても、太鼓判を押してお勧めしたい。 ゼータ文庫の休止により2巻にて終了・絶版となっていたが、2009年11月に小学館ガガガ文庫より『コップクラフト DRAGNET MIRAGE RELOADED』として再刊行され、2011年には新作となる第3巻も発売された。挿絵が篠房氏から村田蓮爾氏にバトンタッチし、ティラナの年齢を含め若干表現がマイルドになった辺りは評価が分かれる所だが、ここは素直に復活を祝いたい。 召喚教師リアルバウトハイスクール 著者:雑賀礼史 出版;富士見ファンタジア文庫 1996年東京都板橋区にある大門高校。この学校には生徒間の揉め事を当事者同士の戦いによって解決する「Kファイト」という制度があった。5月にその高校へと赴任してきた英語教師南雲慶一郎。大学卒業後世界各地を放浪した凄腕の武術家であり「神威の拳」という仙術闘法の使い手でもある彼は、Kファイト制度の切っ掛けになったケンカ番長にして神威の拳の使い手・草なぎ静馬を「調教」するために校長によって招聘されたのだった。しかし彼は一方で「異世界ソルバニアで召喚獣として怪物退治をしている」という誰にも言えない秘密を抱えていた。そんな彼の秘密偶然知ってしまった少女御剣涼子。彼女は草なぎ静馬を唯一武力によって倒した生徒であり木刀を使って戦う「サムライガール」であった。そして日本に帰ってきた慶一郎は、かつて唯一心から安らいでいられた母のような女性の忘れ形見・鬼塚美雪と出会う。そんな彼らの出会いは、やがて様々な騒動を引き起こしていく。 1996年から2010年まで発表された「リアルファイト・ファンタジー」小説。本編全19巻、番外編・短編集全5巻、御剣涼子を主役とした前日弾アーリー・デイズ編全3巻からなる。 装着者/武侠/クライムファイターであり悪人を見つけるとアニメのお面を被って《コスチュームヒーロー》となり容赦なく《ジョイントブレーク(手足)》などで容赦なく再起不能にし、異世界で怪物と戦う時は装着者の力で根源属性の攻撃をたたきこんで粉砕し、果てはスパイ衛星をも撃墜する作中の人物曰く「人間サイズの怪獣」な慶一郎(おまけにきっかけは強制されたものだったが彼を熱愛する香港人の嫁(武狭)もいる)、装着者/フィストウォーリアー/番長/アスリートで戦いをスポーツとしてとらえて存分に楽しみ、慶一郎との戦いで装着者の力の効率的な使い方に気づき必殺技《神気天翔》を開発し、情報収集にたけた相方をもつどんなことがあろうと前へ進む静馬、序盤で剣術の師に出会い剣の腕を磨き、後半では特殊感覚を身につけサポート向きだが怪物と戦う力を得た剣客/協力者の涼子といったようにタイプの違う濃い3人の主人公たち。逃げ脚とかく乱・変装術にたけ慶一郎を巧みに利用するアメリカ忍者、慶一郎との敗戦をきっかけに魔力によって再生し再戦を図る超巨大な装着者/コーポレートな悪の総帥、静馬とストリートファイトを繰り広げるフィストウォーリアーたちといったように様々な個性豊かな対戦相手達との熱いバトル。学校の人物もどう考えても黒幕そうな校長や筋肉フェチの保健教師、乗りのいいKファイトレポーターなど人物紹介だけで結構カオスフレア的だったりする。 またKファイトでは「戦いを申し込まれた方が試合形式を決められる」というルールのため、様々な種目が競技となる。アーリー・デイズ編3巻ではこのルールの下「草なぎ静馬を打ち負かせるジャンルの達人な少女」たちを集めた「新撰組」と静馬との「武力だけでない真剣勝負」というアスリート同士の争いが描かれていたりする。 この作品で語られる「神威の拳」、その本質はカオスフレアという存在を考えさせるものである。 また異世界「ソルバニア」は、後半で実は未来で「魔法」を開発した超人類にして魔王(リアリティハッカー/エンシェント)がリアリティハッカー能力を使って「完全なる世界」を作り崩壊に瀕した世界を再編するために虚数空間のコロニー・そしてその中の「無限に情報を記録できる魔道書」内で未来人たちの総意に基づき「完全なる世界」を創生するためのシミュレーター空間であることが判明。そして慶一郎を召喚していたリアリティハッカー/マシンライフの少女型セキュリティプログラム(《無言のヴェール》持ち)が大門高校に来たことで、高校はカオスな世界に・・・。 そしてこの作品最大のテーマの一つは、慶一郎と美雪の救済である。親に望まれずに生まれ孤独に育ち、やっと手にした安らぎも自らの過ちとそこから来る罪悪感から逃亡してしまい、生きているだけでいい・何も責任を負いたくない・自分からは何かをしようとは思わないと諦観してしまっている慶一郎。両親の死・そして自分だけが知る最悪なその真相から生に絶望し、自分を守ると誓ってくれた慶一郎を慕うが故に罪から来るジレンマに苦しんだあげく、終盤で魔王との契約で強大な力を手にし元々あった顕現者/巫女としての力を増大させ半ばダスクフレアと化してしまった美雪。この物語は南雲慶一郎という男が自分にパスがあると気付き聖戦士としての自覚を持って美雪を救うまでの物語とも言える。 リオフレード学院のノリやクライムファイターのあり方・フィストウォーリアーのストリートバトル、リアリティハッカーや侍、シングルとマルチの違いなどカオスフレアのキャラのネタが多数ある。ぜひ読んでみてほしい。
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